デザイン、ライフスタイル、価格…
住宅では絶滅寸前、激減する和室と畳
おうちに畳、ありますか?
最近の戸建、マンション、アパートから消えてしまったもの。それが和室です。まずは簡単に、最近の畳事情から。
数年前までなら、畳コーナーなどリビングの隅っこになんとか生息していましたが、最近の住宅では和室(畳)の存在そのものが絶滅危惧種のようになってしまった気がします。
デザインが洋風化して、床の間や仏間を取り入れることが少なくなったり、布団を上げ下ろしするよりもベッドで寝る家庭が増えたり、生活のスタイルが変わったことが一つの要因でしょう。
客間として和室をしつらえる家庭もありましたが、プライベートな空間となった現在の自宅にはおもてなしする来客が少なくなったのかも一つの原因かもしれません。
住宅の気密性が上がり、畳がカビやダニと闘わなくてはならなくなったこともあるかもしれません。
あとは、価格の問題。ざっくり、畳一枚を新調した場合は1万円。ヘリのない畳は半畳で1万円くらいです。
フローリングの場合、一坪(畳2枚)で1万円。大工さんの手間を計算しても、基本的にフローリングのほうが安くなってしまいます。
畳には厳しい時代になりました。
畳を敷くなら、熊本産や
高知産のいいものを使ってみませんか
もう少し現状の畳について言えば、あなたが最近触れ畳は昔の畳とは違うかもしれません。
おうちに畳がない方でも最近、冠婚葬祭の際に控室で畳の部屋がありませんでしたか?でも、その畳は「いぐさ」ではないかもしれません。
化学表(かがくおもて)という言い方もありますが、それはポリプロピレンだったり、和紙に樹脂をコーティングしたものなど「いぐさ」に似せて作られたもの。
耐摩耗性に優れたり、色あせしにくかったり、カビやダニが増えにくかったり。そんな要望に応えて作られたものです。
新築の住宅なら、現在はほぼこれらの畳が使用されています。なんとなく畳の部屋が欲しいよね、という程度なら確かにこれが便利かもしれません。
そこで少しこだわっていぐさのものを、と思っても価格的には中国産のいぐさが使われることが多くなっています。上記の一万円程度のものも、多くは中国産です。
フローリングより価格が高いのに、必ずしも上質なものではありません。むしろ、昔の畳より質は劣ってしまいます。
実家の畳はまだ現役だけど、という場合でも新調すると数年で擦り切れたり色褪せたりしてしまうこともあります。
ですので、本当にこだわるのならばいぐさの質にもこだわってみては。
いぐさといえば熊本で、愛媛県内でも国産のいぐさにしようと思えば、熊本産を扱う畳屋さんが多いと思います。
ほかにも四国なら、「土佐い草」がおすすめ。自然素材を好む建築家の皆さんからも高い評価を受けています。
愛媛で、と探してみましたが今のところいぐさは見つかりませんでした。代わりに、いぐさを使った花ござなどの商品を作っているスワモンショウという会社が出てきました。
畳とは違いますが、スワ幸織というショップで名刺入れなども販売しているようですので、興味のある方はご覧ください。