愛媛と広島を結ぶ航路のひとつに、波方港(愛媛)~竹原港(広島)という航路がありました。私もよく利用したのですが、しまなみ海道の整備とともに利用者が減少。2009年4月で航路は廃止となりました。船の待ち時間なく移動できるしまなみ海道は便利ですが、船に乗って瀬戸内を渡る1時間あまりの時ものどかで嫌いではありませんでした。
それでも、今治港「はーばりー」の待合室で航路を見た時に、まだまだ瀬戸内にはたくさんの海上交通が残っていることに気が付きました。確かにしまなみ海道の開通で、幾つかの航路が廃止になりました。その一方で、あたらしく「ガンツウ」が2017年9月に就航するようです。
”本船は、尾道市にあるベラビスタマリーナを出発・帰港地とし、中四国の瀬戸内海沿岸における景勝地を周遊。宮島・松山・大三島・丸亀などの寄港地では、その土地の文化を楽しめる特別なアクティビティをご用意し、船だからこそわかる瀬戸内の自然美と、今までにない上質な旅をご提案致します。”(ガンツウのブログより)
船を設計したのは建築家の堀部安嗣さん。最近では電車の設計を建築家が行うこともありますが、それらと同様にこれまでの船とは違った空間をデザインしてくれているのではと、期待が膨らみます。
瀬戸内海の地図を見た時、広島県の呉からとびしま海道へも橋がかかっていました。以前は船でしか渡る手段がなかったのですが、久しぶりに御手洗にも行きたくなってきました。御手洗には重要伝統的建造物群保存地区があり、昭和初期の劇場も残されています。愛媛で言えば内子のような場所です。最後に、呉市豊町観光協会からの紹介を引用します。
” 江戸時代より風待ち、潮待ちの天然の良港とされていた御手洗は人と情報が集まる要衝地として十八世紀に入って急速に発展した。
四軒の「茶屋」が置かれ花街として歴史に色を添えた遊女達。夕暮れ時、聞こえる三味の音、無数の宿の灯りなど、海面に映える隆盛の輝きは黄金の島にふさわしい景色だったことでしょう。
今は江戸時代の家並みと史跡から伺い知ることが出来ます。”